冷えとりをしていると、素肌に身につけるものは シルクやコットンなど、天然素材のものが増えてきますね。 衣食住のなかで、「衣」は人間だけに与えられた神様からの贈り物です。 私たちが獣からヒトに進化した時に毛皮を脱ぎ捨てたかわりに 手にしたのが服なんですね。それだけに大切にしたいと思います。 天然素材で私たちに一番なじみがあるのは木綿ではないでしょうか。 木綿も戦前は日本中で生産されていましたが、 今では輸入品がほぼ100%を占めています。 一般に綿は安く大量に生産するため、 膨大な量の農薬・化学肥料が使われているといわれています。 世界で使用されている農薬の約40%が綿花栽培に使われ、 さらに綿の刈り取りにはベトナム戦争で使われていた 「枯葉剤」を使用しているそうです。 また世界のコットン生産量の約8割が 発展途上国の人々によって生産されています。 農薬による環境汚染や農家の方々の健康被害や児童労働など、 さまざまな問題がありますし、 先進国での綿花栽培も遺伝子組み換えや土壌汚染など大きな問題をかかえています。 製造過程では脱脂や脱色、柔軟加工、防縮加工など化学的な処理をいろいろ施して 製品となった綿の衣料はもはや天然素材とは言えないのではないでしょうか。 そんな大量の農薬・化学物質漬けの綿製品への 反省から生まれたのがオーガニックコットンです。 オーガニックの野菜を手にとったとき、あなたはどんな思いを抱きますか? 自分や家族の健康?美味しいから?栄養価が高そうだから? それとも欲しいのは安心ですか・・ オーガニック食品を選択することは、そこには自分のことだけでなく、 それが生産者や製造者、流通を助け、オーガニックの畑が広がることで 環境や社会の仕組みを見直すことにもつながります。 オーガニックコットンも同じです。 農薬や遺伝子組み換えの種を使わず、児童労働を禁じ、 フェアトレードを基本とするオーガニックコットンの製品を身につけることで 遠くアジアや南米の子供たちの笑顔を増やすお手伝いになるのです。 今日本でも綿花栽培の復活をめざして頑張っている人たちがいます。 日本の綿花は和綿と言って、アメリカ綿に比べ繊維が短いのですが、 病虫害に強い、日本の風土にあって吸湿性がつよく 放湿性もあるなどの長所があります。 実は綿をとったあとの実は、家畜のエサや畑の肥料になり 絞れば食用の綿実油もとれます。 紡いだ糸も、切れても何度も紡ぎ直せる究極のエコ素材。 本来の綿花栽培は環境にやさしい農業だったのですね。
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