肌着にはシルク

衣と書いて「きぬ」と読みます。

日本人にとって、シルクこそが本来の肌着なんですね。

水が蒸発するときに、気化熱というのが発生して温度が下がります。

汗をかくと体温が下がるのは、この気化熱のおかげ。冷蔵庫と原理は一緒です。

じゃあ、逆にこの気化した水蒸気をまた液体にしたら?

そう今度は温度が上がります。

これを凝縮熱といいます。

肌に触れる繊維が凝縮熱を発生させるようにしたのがヒートテック。

ヒートテックの素材はアクリル40%、ポリエステル35%、レーヨン20%、ポリウレタン5%。

すべて石油由来の化学繊維でできています。

いうなれば肌をラップでくるんでいるようなもの。

そして外部に熱を逃がさない構造なので、水分が飽和状態になると、今度は体を冷やします。

汗をかく夏やスポーツをする人には、ヒートテックは不向きなだけでなく肌が自然に兼ね備えた体温調整やデトックスする力を閉じこめてしまうので、ご注意ご注意。

実は靴下だけでなく肌着も、皮膚に接する一枚目には絹、そしてその上にコットンやウールを重ねるのが理想です。

蚕さんはとってもデリケート。

室温27度でやや湿度の高い環境がお好きです。

通気性が良く、紫外線や雨などにさらされても快適に過ごせるような蚕さんのマイホーム。

蚕さんのおうちの建材が、何を隠そうまゆなんです。

そう、そんな蚕さんのおうちの素材を拝借したのが絹の肌着です。

顕微鏡で見ると絹の繊維は二つの三角おにぎりを合わせたような構造になっています。
真ん丸じゃなんですね。

このとんがりが肌をこするたびに皮脂膜を削ります。それが衣(きぬ)擦れ。

肌の表面をつるつるにしてくれるのは目の細かい紙やすりのように、絹が肌を磨いてくれるからです。

そして、絹のタンパク組成は人の肌に近いので肌の中の老廃物や毒素は、知らず知らずのうちに汗やガスによって絹へと吸収されます。

絹に吸着された汗やガスを受け止めるのが、その上に重ね着したコットンやウールです。

2枚目には、通気性があり清涼感のある麻や抗菌性のある竹も夏にはお勧めです。

化学繊維は、毒を押し込めてしまうので天然繊維を着ましょう。

冷えとりを長く続けていると、化学繊維は気持ち悪いって感覚が生まれてきます。

冷えとりさんの中には夏でもレッグウォーマーやレギンスは必須アイテムという方もおられます。

夏なら内絹外綿や内絹外ウールのレッグウォーマーなどおすすめです。

そして上半身には、絹のブラやキャミソール、タンクトップなど。

その上にオーガニックコットンや麻などの天然繊維のゆったりしたシャツなどはいかがでしょうか。

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