マクロビオティックといえば、まっさきにイメージするのは「玄米」ではないでしょうか?
なぜ白米ではなくて玄米なのか、主に3つの理由があります。
一つは栄養学的な理由です。お米の中にはたくさんのでんぷん(炭水化物)が含まれています。
でもそのでんぷんを分解吸収するにはビタミンBが必要です。玄米はそのビタミンBをぬかの部分にたっぷり含んでいます。
白米ででんぷんを栄養とするためには、ほかの食品やサプリメントでビタミンBを補ってあげなければいけません。玄米が栄養学的に完全に近い食品であることは以前お話しました。さかのぼってもう一回読んでいただけると嬉しいです。
もう一つの理由は「生命力」があるということです。玄米は蒔けば芽が出ます。白米とぬかをいくら蒔いても芽はでません。玄米には「生命力」があるということです。
部分の総和は全体にはなりません。「生命力」は「全体の調和」によって発揮されるとマクロビオティックは考えています。
これは、冷えとりにおいて私たちの体が内臓や手足など個々のパートで独立しているのではなくホリスティックな存在であるといっているのと一緒です。
命とは部分の総和ではなく、全体である、という考えをマクロビオティックでは一物全体と呼びます。
玄米に限らず、なんでもできるだけ丸ごと食べたほうがいいと考え、たとえばかぶや大根は葉っぱも食べ、ごぼうや人参はできるだけ皮をむかず、小魚も頭から尻尾まで食べたほうがいいと、マクロビオティックでは言っています。
逆に言えば丸ごと食べられない大型の動物や魚などはあまり食べないほうがいいということです。
もっとも最近では、一物全体食にもお悩みがあります。それは玄米の胚芽部分や野菜の皮に農薬が集まるということです。
玄米や野菜はできるだけ無農薬の物を選び、農薬が心配な食品は皮をむいて食べるという臨機応変さも必要な時代ではないでしょうか。
余談ですが温ちゃんのボスが放射能(セシウム)が100ベクレル含まれた玄米を精米して測ったら放射能が1/3に減ったそうです。
のこりの2/3はぬかに残っていたということで、最近はぬか漬けも安心して食べられませんね。
一物全体はあくまでマクロビの指針の一つです。
アクを取った方がおいしいスープもありますし、里芋の皮は温ちゃん好きではありません。
冷えとりもマクロビもガイドであってドグマではありません。
自分の判断は大事ですよ。料理と食事は楽しくておいしくなくちゃね。
あれ?一物全体がいいという理由は3つといったのに2つしか出てこなかったよ、ですって。
もう一つのお話は明日。陰陽調和のお話です。