ご飯でも煮物でも(味が薄いものがいいかも)お皿を二つに分けて、片方のお皿を脇に置いといて、もう一方のお皿には、おいしくなれおいしくなれと一生懸命念じながら「いただきます」といってから食べ較べてみてください。ほら、味が違うでしょう。
温ちゃんです。
食事とは、いのちをいただくことです。また食卓に上がるまでたくさんの人の助けが必要です。
「いただきます」は日本だけの素敵な習慣。大切にしたいですね。
さて、低カロリーでミネラルやビタミンたっぷり。食物繊維もたっぷり含まれて体内の余分なものの排毒を促し、血液をサラサラにしてくれるものな~~んだ?
私たちは、太古の昔から海藻をたくさん食べてきました。というのも日本の土壌には必要なミネラル分が不足していて、どうしても陸地の食べ物だけではバランスがとれなかったからだそうです。
そして長い年月を経て私たちの腸は、乳製品より海藻からカルシウムやミネラルを吸収しやすいようにできあがりました。
五大栄養素に次ぐ第六の栄養素といえば食物繊維。食物繊維といえば芋や豆類を思い浮かべる人も多いでしょう。
これらは不溶性植物繊維といってそのままでは水に溶けませんが、海藻の場合は水溶性食物繊維といって水に溶ける食物繊維です。
実はお通じのためには不溶性食物繊維だけを摂っても十分な効果は期待できないとのこと。海藻をお芋やお豆と一緒に食べて初めて腸の動きを活発にして快便へと導いてくれるそうです。
ほら、ジャガイモとわかめの味噌汁や、煮昆布大豆が頭の中に浮かんだでしょう。それでいいのです。
そしてこの水溶性食物繊維のもうひとつの大事な働きが血液サラサラ効果です。
水分を含んでゲル状になった海藻は、大腸で乳酸菌などで分解されて悪玉菌が嫌がり善玉菌が喜ぶ酪酸や酢酸などに変わります。
腸内環境が改善されるとコレステロールの吸収を抑え血液に脂質が増えるのを防いでくれます。
また塩分の吸収を抑え高血圧を予防したり免疫力を高めたりと海藻パワーはとどまることをしりません。
さらに、水溶性食物繊維は炭水化物の過剰な吸収を防ぎます。炭水化物からブドウ糖が血液に出てくる速度を遅くするのでインシュリンが過剰になるのを抑えてくれます。
だから、ご飯や麺類を食べるときは必ず海藻も一緒に食べましょう。
ほら、今度は海苔をまいたおにぎりや、青海苔をかけた焼きそばが頭に浮かぶでしょう。
実は海藻には緑の海藻、黒い海藻、赤い海藻の3タイプがあって、この水溶性食物繊維が多いのは黒い海藻。昆布やわかめ、ひじき、もずくなどにフコンダンという水溶性植物繊維が多く含まれています。
先日、ヒトの体はたんぱく質や酵素は自分でつくれるとお話ししましたが、たんぱく質や酵素をつくるには私たちの体でつくれないアミノ酸やミネラルを食べ物でとり入れなければいけません。
そして、そのミネラルが多いのも海藻の特徴です。
骨を元気に、イライラからも開放してくれるカルシウムを多く含むひじきやわかめ、余分な塩分を排出して血圧をコントロールしてくれるカリウム豊富な昆布。
また昆布には新陳代謝を促すヨウ素も多く含まれています。
青海苔やあおさにはマグネシウム、ひじきや海苔には鉄分、わかめや海苔は亜鉛も多く含まれます。
海藻も赤・黒・緑といろいろな種類を食べるといいんですね。
海藻は海の野菜といわれるようにビタミンも豊富です。たとえば、のりのカロテンやビタミンB1、B2、Eの含有量はほうれん草やピーマン以上。ビタミンAもトマトより多く含みます。しかもローカロリーときたもんだ。
さて、栄養学的にはそんなスーパーな海藻ですが、実は海藻は海で育つという点がいちばん大切です。
海水は私たちの体液の組成に近く、いってみれば私たちのDNAには太古の海の記憶が宿っているといってもいいでしょう。
海藻は母なる海からの母乳です。
母なる水とかく海が汚染され病むことがあれば、私たちも無事ではいられません。
ところが日本の、そして太平洋の国々の海が、今少しずつ放射能に汚染されてきています。
私たちは、目の前の豊かさ便利さに目を奪われることなく、これから海を命を守るために何ができ、そしてどのような世の中を子供たちに残していけるのかをしっかり考えていくことが大事だと思います。