温ちゃんです。
女性が一生のうち総計すると平均3,000日を越える日数を月経とつきあっていることになります。
半世紀ほど前に登場した使い捨てナプキンは、より便利に、機能的にと進化を遂げ、今や日本は月経用品の品質では世界一といわれています。
このように便利になることで、多くの女性が月経期間中も普段と変わりなく過ごせるようになり、女性の社会進出を促す大きな要因のひとつとなりました。
女性に自由を与えてきた使い捨てナプキンですが、いっぽうで多くの問題も顕在化してきました。
その一番の負の側面はやはり、使い捨てであるための大量消費、廃棄物処理といった環境問題です。
現在国内で年間80億枚を越える使い捨てナプキンが生産されゴミとして処理されています。 紙おむつなどを含めればもっとたくさんになるでしょう。
そして生産・流通・廃棄の各過程でさまざまな環境問題を引きおこしていると予想されます。
月経用品は原料の多くを木材パルプが占めているため、生産段階では森林破壊や資源の大量消費の問題があります。
ナプキンや紙おむつなどの衛生用品に使われる木材パルプは主に北米やスカンジナビア半島で伐採された針葉樹林だそうです。
日本が輸入する木材パルプは、米国についで2位で、紙の生産は世界の1割を占めることから考えても、森林資源の大量消費には無関係ではいられません。
また、アラスカやカナダでは、大手紙パルプ企業の管理の下、森林の育成に大量の農薬や成長剤が使われ、野生生物が絶滅の危機に直面している話もあるそうです。
国内で消費される木材パルプの8割を輸入に頼っていながら、企業や消費者、流通もその現状に疎いのが一番の問題かもしれませんね。
ほとんどの自治体では衛生上の観点から、使い捨てナプキンは焼却処分としています。
その後、焼却灰は埋め立て処分されますが、他のプラスティック製品と同様、生成分解することなく何十年も土に還ることがありません。
埋め立て処分地不足の問題も含め、考えていかなければいけない問題だと思います。
一般的な呼び名である「紙ナプキン」は、紙や木材パルプだけで作られているようなイメージを与えますが、実際には使い捨てナプキンの原料の約70%は、石油から化学合成した原料からなっているんですって。
防水シートや吸収体にも様々な化学合成物質が含まれています。
紙や生地の漂白に使われる塩素は有機物とくっついてダイオキシンを発生させます。
漂白された木材パルプで作られた使いすてナプキンやタンポンに残留するダイオキシンが問題となって、最近では、脱脂綿やガーゼだけでなく月経用品も塩素漂白から酸素漂白に変わりつつあるようです。
また、酸素漂白についても未解明な部分があり、安全性が完全に確立されたわけではないとの理由で無漂白の製品も登場しています。
また最近では化学物質を肌のデリケートな部分に直接当て続けることによる人体への影響についても目を向けるようになってきました。
使い捨てナプキンの人体への影響については、消費者である女性たちの関心はあまり高いとはいえません。
ナプキンの成分表示も商品には表面素材しか明記していません。
ナプキン内部の素材については、企業秘密として明かされていないものもありますが、主に吸収層には吸収体ポリアクリル酸ナトリウムが主に使われています。
他にはホットメルト粘着材や接着剤などの化学物質が使用されております。
また「フェミニーナ軟膏」の小林製薬のアンケートでは、局部トラブルを感じている人は約66%(3人にふたり)で、トラブルの内容としては「かゆみ」が45%ともっとも高くなっているとの事です。
原因としては、蒸れによるかぶれや、雑菌の繁殖などがあげられます。
使い捨てナプキンという化学物質でできた月経用品が登場して40年。
まだまだ経皮毒などの影響がまったく無いといいきるのは早いのかもしれません。
なお、2006年10月23日には韓国「イェミイン」社の使い捨てナプキンから発がん性のホルムアルデヒドが検出されたと報道されました。
タンポンについては、トキシックショック症候群という疾病での死亡例もあり、まだまだ月経用品の安全性は確立されたとはいえません。
今日は使い捨ての月経用品の問題点について書いてみましたが、ちょっと長かったかな。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
参考:川原のりこさんの卒業論文「月経用ナプキンが女性の意識と身体に与える影響と、今後の布ナプキンの普及可能性について」(2002年)
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